「証拠隠滅」や「検査妨害」の罪に問われないために
2010年07月21日
当局の事情聴取に対して会社は何もしてはいけないのか
西村あさひ法律事務所
弁護士 梅林 啓
昨年、兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故に関する問題で、JR西日本が、兵庫県警の事情聴取を受ける社員に対して、事故原因に関する会社の見解をまとめた資料を配付したり、事情聴取後に供述した内容をメモにまとめて報告するよう指示し、その内容を社内で共有することもあったという事実が明らかになり、このような行為に対して、「口裏合わせとも受け取れる行為で、JR西日本は、神戸地検から、公正な聴取に差し支えるという趣旨の注意を受けた」という報道が流れた。
社員が当局から事情聴取を受ける際に、事前に、会社の法務部の担当者が(場合によっては弁護士を通じて)、事情聴取に関する事前打合せをすることは珍しくないし、事情聴取後に、何を聞かれてどう答えたかを会社が確認したり、報告書を作成して会社に提出するよう指示することもよくあることを頭に浮かべて、「あれはやってはいけないことだったのか」と疑問に感じた人も多いのではないかと思う。弁護士が、このような対応をするように会社に積極的にアドバイスする例もあるので、いったい何が許されて何が許されないのか
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