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鳩山氏側から裏金、元議員2人が証言、2002年民主代表選で 《特ダネ詳録》

 

 鳩山由紀夫氏が民主党代表に3選された2002年9月の同党代表選挙の際に、鳩山氏を応援した国会議員が、鳩山氏の公設秘書や仲介者を通じて計300万円を超える資金を提供され、裏金として処理した――。当事者である元衆院議員2人が朝日新聞の取材にそう証言した。2002年の代表選挙では、有権者である党員や「サポーター」を集めるため、本人が納めるべき登録料を別人が立て替える不正が横行しており、元衆院議員2人は、鳩山氏の側から受け取った資金でそうした立て替えによる出費を穴埋めしたと説明した。

  ▽執筆:砂押博雄

  ▽取材:砂押博雄、奥山俊宏

  ▽関連記事:知らぬうちに有権者に!? 民主党サポーターでっち上げの実態(https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2710060900005.html)

  ▽この記事は2010年6月4日の朝日新聞朝刊に掲載された原稿に大幅に加筆したものです。

 

 ■「サポーター費を立て替え」

 元国会議員2人は取材に対し、受け取った資金を関連政治団体の政治資金収支報告書に記載しなかった、と話した。また、鳩山氏の資金管理団体などの収支報告書にも資金提供を示す記載はなかった。政治資金規正法違反の疑いがあるが、すでに公訴時効(5年)が成立している。

 証言によると、当時の衆院議員でその後引退したA氏は2002年9月中旬、鳩山氏の元公設秘書から東京・平河町の鳩山事務所で約100万円を受け取った。元公設秘書から「いろいろと物入りでしょう。これをとっておいて下さい」と言われ、現金の入った白い封筒を手渡されたという。

 A氏はその2週間前に500人を超える党員・サポーターの登録料を自費で立て替えていた。鳩山氏側から提供された資金に使途の指定はなかったというが、A氏は「自費で立て替えた分を負担してもらったと受け止め、その穴埋めをした」と証言した。また、8月下旬にも同じ鳩山事務所で、この元秘書から別に約100万円を手渡され、「軍資金」として受け取ったという。

 もう一人の元衆院議員B氏も2002年9月初めまでに千人以上の党員・サポーターの登録料を後援会資金から立て替えたという。取材に対し、「9月ごろ、自分の後援会事務所の口座に100万円超が振り込まれ、その資金で立て替え分を補填した」と話した。振り込まれた資金については、仲介者を通じて鳩山事務所から提供されたとの認識を示した。

 朝日新聞は、首相辞任表明前に取材内容を鳩山事務所に伝え、回答を求めたが、同事務所は「当時の事情を分かる者がいないのでコメントできない」「取材には一切、答えられない」としている。また、鳩山氏の元公設秘書からは回答がなく、鳩山事務所との仲介者は資金提供を否定した。

 ■「いろいろと物入りでしょう」

 鳩山前首相と菅直人現首相の両陣営が支持獲得でしのぎを削った2002年の民主党代表選で鳩山氏を応援した元国会議員2人が、鳩山氏側から裏金を受け取った際の詳細な状況を朝日新聞記者の前で語った、その内容は……。

 2002年夏、平河町のビルの4階にあった鳩山事務所では連日、鳩山氏の側近や支持する議員が集まり、代表選対策の会合が開かれていた。対象者を鳩山氏支持の強弱でA~Dの4段階に色分けし、支持が固い「A」や、ほぼ支持してもらえる「B」の対象者には電話で念押しし、態度が揺らいでいる「C」の対象者には直接足を運んで説得を試みる作戦が練られた。

 8月下旬、会合が終わり、A氏が廊下に出ると、公設秘書(当時)が追いかけてきた。

 「これを使って下さい。各地へ出向くことも多くなるでしょうから」。そう言うと、白い封筒を手渡し、こう付け加えた。「領

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