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《富士通株主総会詳録》企業統治で激論、山室元判事、野中名誉教授も答弁

 富士通が6月に開いた株主総会では、危機管理、リスク管理のあり方、監査役、社外役員の存在意義、取締役会での議論と情報開示、風評の関係など、企業統治をめぐる幅広い論点をめぐって議論が交わされた。社長だった野副州旦(のぞえ・くにあき)氏が昨年9月に辞任に追い込まれた経緯について野副元社長と対立する現執行部にとっては「正しさを訴える絶好の機会」。会長が会社勝訴の裁判所の決定理由の一部を朗読し、社長が野副氏側の公開質問状に回答した。名物裁判官として知られた社外監査役、経営学者として著名な社外取締役も答弁に立った。野副氏本人は会場に姿を見せなかった。

  ▽関連資料:   野副氏の公開質問状


 ■社長が冒頭で「ご心配をおかけしたことをおわび」

富士通の株主総会に向かう株主ら=6月21日、横浜市内富士通の株主総会に向かう株主ら=6月21日、横浜市内
 富士通の株主総会は6月21日午前10時から、新横浜プリンスホテルで開かれた。

 山本正已社長が冒頭、野副元社長との対立に言及し、一礼した。

 「まずはじめに、平成21年9月に辞任いたしました元社長・野副氏に関する件につきまして、株主の皆様には大変ご心配をおかけしておりますことを、心よりおわび申し上げます」

 山本社長が各役員を紹介したのに続いて、事業報告や監査結果などの報告や東芝との携帯電話事業の統合に関する説明があった。

 山本社長は「対処すべき課題」の報告の最後に「私は社長として富士通を明るく元気な会社にしていきたいと思います」と述べ、「みずからを変革し続け、スピード&チャレンジでお客さまとともに豊かな未来を築いていきます」と締めくくった。

 ■間塚会長「裁判所は野副氏の言い分をすべて排除」

 続いて、間塚道義会長が報告した。

 「株主の皆さまにたいへんご心配とご迷惑をおかけしておりますことを深くおわび申し上げます」とわびた後、概略、次のように説明した。

 「野副氏が盛んにマスコミに登場して、野副氏の一方的な言い分が多数報道されたことから、もしかしたら野副氏の言い分が本当なのではと心配した株主もおられるかも

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