2010年09月11日
▽この記事は2010年9月11日の朝日新聞朝刊2面に掲載されたものです。
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■「全部返してって」と預金者
東京都千代田区の日本振興銀行本店。早朝から表玄関には、新聞などで破綻を知った預金者数人が集まっていた。だが、開店時間の午前9時を過ぎても扉は閉じたまま。
「全部返してって言いに来たのに」。1千万円を超える預金があるという年配の女性は肩を落とした。
これまで一度も発動されたことが無かったペイオフ。元本が1千万円を超える預金者たちは、一部の預金と利息がカットされてしまう見込みだ。
女性が不安を口にする1時間半ほど前、本店裏口に黒や紺のスーツに身を固めた40人ほどが列をつくっていた。
スムーズに1千万円までの預金とその利息が支払われるかどうか。この部隊の2日間が、国民に不安を与えずにペイオフを進める要となる。
10日午前11時ごろに記者会見した預金保険機構の田辺昌徳理事長代理は、週明け13日から預金の払い戻しの受け付けができるかを問われるとこう言い切った。「強く確信している」
緊張と不安が漂うペイオフ。新たな時代に入った預金者は、大切な預金を守る心構えが必要となる。
「預金保険の
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