2010年09月22日
TOBは様々な目的のために行われるが、特に近年においては、企業環境を取り巻く厳しい状況を反映して、企業再編に関連するTOBの件数が増加している。それに伴ってTOB関連のインサイダー取引の摘発件数も増加している。
H17/7 -18/6 |
H18/7 -19/6 |
H19/7 -20/6 |
H20/7 -21/6 |
H21/7 -22/3 |
|
インサイダー取引 摘発件数 |
14 | 18 | 23 | 25 | 34 |
うちTOB関連 | 0 | 0 | 5 | 6 | 11 |
このようにTOB関連のインサイダー取引の摘発件数が増加している背景としては、TOBの件数が平成17年に50件であったものが、平成21年には79件に増加していること、TOBの対象企業の株式には通常プレミアム分が上乗せされた価格で取引されるためTOBの公表前に当該株式を取得してTOB公表後売却すれば確実に利得を得ることができることが大きいと考えられる。さらに、TOBの実務には買付企業、対象企業の役職員に加え、弁護士、公認会計士、税理士、フィナンシャル・アドバイザー(FA;通常証券会社、投資銀行が務めることが多い)、金融機関、デュー・ディリジェンス業者、印刷会社等多数の関係者が関与することから、TOBの公表前に非公開情報を知りうる関係者が多いこと、及びTOB取引のスキームの組成から公表までの期間が比較的長いことも、TOBに絡むインサイダー取引のリスクを高める要因となってい
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