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《時時刻刻》大阪特捜部主任検事の逮捕 最高検みずから捜査

 郵便不正事件で大阪地検特捜部が押収したフロッピーディスク(FD)のデータを主任検事が書き換えていた問題は、発覚した日のうちにスピード逮捕に至った。刑事裁判の公正さを危うくする前代未聞の事態に、全国の検察を指導する最高検が異例の早さで動いた。検察は身内事件の全容を解明できるのか。

 

 ■最高検、異例の迅速対応

 この事件を捜査した大阪地検特捜部で主任検事を務めた前田恒彦容疑者(43)の21日夜の逮捕。この迅速さは、検察当局の危機感のあらわれとみられている。

10日、村木厚子氏の判決公判のため、大阪地裁に入る大阪地検特捜部の前田恒彦・主任検事=矢木隆晴撮影
 検察のこの日の対応は、午前10時20分、最高検で検事総長に次ぐナンバー2のポストにいる伊藤鉄男次長検事のコメントが東京・霞が関の司法記者クラブに配布されたことで始まった。「最高検において事実関係を徹底的に捜査し、厳正に対処する」とし、既に「捜査」という言葉を使っていた。

 続いて午前11時から、伊藤次長検事は臨時の記者会見を開いた。次長検事が会見に臨むのは、足利事件の再審で無罪が確定した菅家利和さんに対する捜査などの問題点を検証した報告書を公表した今年4月以来のことだ。

 会見には記者約40人が参加。約15分間、矢継ぎ早に質問が飛んだ。「犯罪の疑いが濃い。もはや捜査せざるを得ない」「ありとあらゆる事実解明をする。何ら特別扱いしない」「最高検主体で、徹底的にやる」――。厳しい表情で答え続けた。

 改ざんした疑いが持たれている前田検事の当時の上司らが把握していた可能性を問われると「少なくとも、今はそういう報告は受けていない」。検事の言い分については「供述内容は言えない」と述べるにとどまった。

 最高検が大阪高検から連絡を受けたのは20日の夕方のことだった。「文字通り衝撃が走った」(幹部)という。「最悪の不祥事だ」と語る幹部もいた。

 最高検刑事部には、部長のほか、東京地検特捜部長の経験者など4人のベテラン検事がいる。4人は全国8高検を分担して所管しており、大阪高検を担当する検事正経験

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