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海保巡視船衝突、中国船長を処分保留で釈放

 東シナ海の尖閣諸島沖で中国漁船と石垣海上保安部(沖縄県石垣市)の巡視船が衝突した事件で、那覇地検は25日未明、同保安部が公務執行妨害の疑いで逮捕した中国人船長、詹其雄容疑者(41)を処分保留のまま釈放した。同地検の鈴木亨次席検事は24日の記者会見で、巡視船側の被害が軽微だったことなどに加え「わが国国民への影響と今後の日中関係を考慮すると、これ以上、身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断した」と説明した。一方、仙谷由人房長官は「検察から釈放するとの報告を受け、了とした」と述べ、政治介入はなかったとの立場を強調した。

  ▽この記事は2010年9月25日の朝日新聞朝刊1面(西部本社版)に掲載されたものです。

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手元に用意した文面を慎重に読み上げ、釈放決定の理由を説明する那覇地検の鈴木亨次席検事=24日午後2時33分、那覇市手元に用意した文面を慎重に読み上げ、釈放決定の理由を説明する那覇地検の鈴木亨次席検事=24日午後2時33分、那覇市
 検察当局が容疑者の身柄の取り扱いに関連して、外交への配慮を明言するのは極めて異例だ。那覇地検は24日、最高検などと協議して処分を最終決定した。最高検は「官邸などの影響を受けた判断ではなく、検察独自の判断だ」としている。ただ、同地検は外務省の中国担当者にも意見を求め、「日中関係への影響がある」との返答を得たという。

 同地検の鈴木次席検事は処分の理由について、巡視船側に直

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