2010年09月26日
鋭い目つきで歩く姿。「温厚で、さわやかな彼とは別人のようだ」
前田検事は広島大の学生時代、刑法ゼミに所属した。「刑法」と「道徳」という二つの規範はどう異なるのか――。その問題を扱った教官の著書「刑法とモラル」を手に足しげく研究室を訪ねてきた。政府高官の汚職事件の判例が取り上げられると、特に熱心に聴いていたという。
大学卒業から6年後に検事になってからも、ほぼ毎年、電話や年賀状で近況を知らせてきたが、最近は連絡が途絶えていた。「正義感が強く、権力の不正を憎む性格だった。特捜部というエリート組織であせりを感じたのか」。教官は考えあぐねている。
●若手の同僚抜擢
だが、中堅となった最近は、危うい
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