2010年10月24日
米紙ニューヨーク・タイムズは17日、バブル崩壊後の日本の停滞と、それによって引き起こされた消費不況、デフレ、自信喪失、将来への悲観を分析する記事を出した。
記事によると、米国や西欧諸国は現在、経済不況からの脱却を目指してもがいているが、将来の暗い予想図として日本を指摘するエコノミストが増えているという。「ジャパニフィケーション」(Japanification)、つまり、「消費者が消費することを拒否し、企業が投資を手控え、銀行が現金を留保すると、需要が崩壊し、日本と同じデフレのわなに陥る」という事態が心配されている。
記事によれば、「1991年当時、エコノミストたちは、日本は2010年までに米国を追い越して世界最大の経済規模になると予測していた。が、実際には、日本経済の規模は今も当時と変わらず、一方、米国経済はその間に2倍に成長した。そして今年、中国経済が日本を追い越して世界2位の規模となった」。
「ジャパニフィケーション」を警告するエコノミストがいる一方で、今のところ、多数派は、それを否定しているという。記事はその理由として「アメリカの政治システムの鋭敏な反応」と「資本主義の創造的破壊に対するアメリカ人の寛容さ」を挙げている。記事によれば、スタンフォード大学のロバート・ホール教授は「我々は日本ではない」と一蹴。「アメリカでは、我々は何らかの道を見つけて、人々は再び消費し、投資するようになる可能性のほうが高い」と述べたという。
記事へのリンクはこちら。http://www.nytimes.com/2010/10/17/world/asia/17japan.html
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