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米司法省幹部「企業幹部は個人としてカルテルで大変なリスク、日本人に変化」

 パナソニックや全日空によるカルテルを相次いで摘発している米司法省のスコット・ハモンド氏(Scott D. Hammond, Deputy Assistant Attorney General for Criminal Enforcement, United States Department of Justice, Antitrust Division)が10月、世界の競争当局のカルテル担当者らが集まる「カルテル・ワークショップ」に参加するために来日したのを機に、朝日新聞記者のインタビューに応じた。

 ――今年のワークショップの成果は?

 ワークショップは、世界中の競争当局が集まり、互いに学び、世界的な当局のネットワークを発展させる機会だ。当局からだけでなく、世界の法曹も参加している。強い執行機関には、その方針の透明性も必要だ。当局だけではなく、民間の参加者からも学ぶことができる。

米司法省のスコット・ハモンド氏=10月7日、東京都千代田区の帝国ホテルで、小島撮影
 ――日本の公正取引委員会をはじめ、国際的な当局間協力についてどう考えますか?

 こうしたワークショップは、日本の公取委や世界中の当局が関係や友情を深める機会だ。そして、経験を共有し、互いに学ぶことができる。

 国際的な当局間協力は、ますます重要になっている。米国だけでなく、日本や、世界中の消費者が国際カルテルの脅威にさらされているからだ。

 グローバリゼーションは、多くの利益をもたらした。貿易の障壁が減り、消費者には、より多くの選択肢や、低価格の商品といった利益がもたらされた。

 だが、グローバリゼーションは、国際的なカルテルの拡大という結果も生み出した。限られた企業が独占力を強め、グローバリゼーションの恩恵を失わせている。国際カルテルの被害は、国境を越えて広がることもある。国際カルテルの調査では、証人や文書が国外にいることもあり、各当局が互いに協力することが非常に重要だ。

 ――先日、あなたはパナソニックの罪状を裁判所に提出しましたが、それも当局間の協力の一例ですか?

 この事件について特にしゃべるということはできないが、これは、米国の市場だけでなく、世界中の他の市場に影響を与える企てであり、他の当局もまたこの行為を調べている。

 ――それには日本の市場も含まれますか?

 それは言えない。

 ――日本ではパナソニックは

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