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ヤフー・グーグル提携、くすぶる懸念

 ネット検索で世界最大手の米グーグルと国内最大手の日本のヤフーの提携をめぐり、懸念がくすぶっている。公正取引委員会はヤフー側から事前に相談を受け、いったん「独占禁止法上、問題ない」と非公式に回答したが、改めて業界の意見を聞き、近く正式に結論を出す見込みだ。国会議員も調査研究会を立ち上げるなど議論が広がるなか、ヤフーはすでに利用者の約7割でグーグルの検索エンジンに切り替えた。

  ▽筆者:五十嵐大介、小島寛明

  ▽この記事は2010年11月27日の朝日新聞朝刊に掲載されたものです。

 

 ■検索シェア約9割に

 日本のヤフーが7月に発表した米グーグルとの提携は主に、(1)検索エンジンをグーグルの技術に切り替える(2)利用者が入力したキーワードに連動して広告が自動的に表示されるシステムの提供も受ける――との内容だ。

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 事前にヤフー側から非公式の相談を受けた公取委は「説明通りなら、ただちに独禁法上の問題にはならない」と回答。しかし、提携が公表されると、新型の検索エンジン「ビング」を日本で本格導入したばかりのマイクロソフト(MS)や、ネット商店街最大手の楽天などが激しく反発し、公取委に調査を求めた。

 国内の検索市場のシェアは、ヤフーが約5割、グーグルが約4割。両社の提携でグーグルの技術が約9割を占めることになる。

 検索エンジンでは、利用者が調べたい言葉を入力すると、検索語に合うウェブサイトのページのリストが表示される。エンジンは利用者が増えるほど、精度が高まる仕組みだ。また、検索エンジン会社には利用行動の個人データも集積される。グーグルには膨大な検索行動の情報が蓄積されているため、世界でのシェアは6割を超える。

 MSなどは提携の結果、グーグルの圧倒的地位が強化され、後発の検索エンジン会社の事業継続が難しくなると主張。さらに、グーグルは検索結果の表示順位を決める手法を公開しておらず、順位などを恣意的に変えられるおそれがあると指摘している。利用者の閲覧率は上位順位や1、2ページ目ほど高く、ネットでビジネスをする企業は上位に掲載される方が有利だ。

 日本のヤフーは米ヤフーの検索エンジンを使ってきた。だが、米ヤフーはMSと提携し、エンジンをMSのものに切り替えることを決めた。このため、日本のヤフーは公取委との事前相談で、グーグルとMSのエンジンのどちらかを選ぶ二者択一を迫られたと説明。利便性などからグーグルを選んだ、としていた。

 検索エンジンは無料だ。グーグルを含む運営会社は検索と連動する広告から利益を得ている。このシステムは、例えば「ハイブリッド」と打ち込んだ人に、車の広告を見てもらう仕組みだ。不特定多数の人に広告を見せるより、高い効果が期待できる。利用者が広告リンクをクリックするごとに広告主は課金される。

 ヤフーとグーグルは、システムを一つにしても、広告獲得活動はそれぞれが行い、広告の価格も競争を続けるとしている。これに対してMSなどは「同じシステムを使う以上、広告料金などの情報が共有され、価格操作につながる可能性がある」と指摘する。MSなどからの申告を受け、公取委は、グーグルにネット広告を出す企業などから事情を聴いている。

 米国では2008年に米ヤフーと米グーグルが提携を目指したが、司法省が

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