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アジア証券市場への日本企業の株式上場が増加傾向

江畠 秀樹

 アジア各国の証券取引所への日本企業の進出が加速している。アジアの証券取引所に株式を上場して資金を調達しようという日本企業が増加傾向にあるという。韓国、台湾、そして、ゆくゆくは、香港や上海でも。不祥事に揺れる日本の新興市場に代わって、アジア各国の証券市場が日本企業を引きつけているのかもしれない。西村あさひ法律事務所の江畠秀樹弁護士が、上場を検討する日本企業の立場から、各市場を解説した。

日本企業のアジア各国証券取引所への上場について

西村あさひ法律事務所
弁護士 江畠 秀樹

拡大江畠 秀樹(えばた・ひでき)
 弁護士。1991年中央大学法学部法律学科卒業。1993年弁護士登録。1999年ニューヨーク大学(LL.M)修了。1999年から2000年までロンドンのリンクレーターズ法律事務所に勤務。2004年から2006年まで中央大学法科大学院で講師(企業金融)を務める。
 ■1. はじめに

 昨今、国内企業による日本の新興企業向け市場への株式の上場案件が減少している。その要因としては、(1)ライブドア・ショックに端を発する新興市場の株価低迷による取引量の減少、(2)近時散見される新興市場に上場している一部の企業による不適切な開示事例、不適切な第三者割当などの問題事例が続き、これら市場に上場している企業ひいては新興企業向け市場全体に対する投資家の信頼が著しく劣化したことなどが挙げられる。さらにこうした状況に追い打ちをかけるように、昨年11月に東証マザーズに上場した株式会社エフオーアイが、上場時の開示書類の虚偽記載を原因として、今年5月に金融商品取引法違反による強制調査を受け、その後破産、経営陣の逮捕に至るという事件はまだ記憶に新しいところである。本件は、不適切な監査済み財務諸表が上場審査をくぐり抜け、それに基づく不適切な開示が上場時から続いていたという点で、投資家に与えた影響はもちろん、証券取引所や引受証券会社をはじめとする市場関係者に与えた影響も甚大と言える。本稿ではエフオーアイの事例を検討することが目的ではなく、むしろ、このような日本の新興企業向け市場における不祥事による上場審査の厳格化やアジアをビジネスの重要地域と位置づける日本企業の増加等を背景として、同事例が発覚する前後を通じて最近顕著になっている、国内企業による日本以外の特にアジアの証券取引所への上場案件の増加傾向について、複数の案件に国内企業の代理人として関与した

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筆者

江畠 秀樹

江畠 秀樹(えばた・ひでき) 

 村あさひ法律事務所パートナー。1991年中央大学法学部法律学科卒業。1993年弁護士登録(司法修習45期)。1999年ニューヨーク大学(LL.M)修了。1999年から2000年までロンドンのリンクレーターズ法律事務所に勤務。2000年ニューヨーク州弁護士登録。2004年から2006年まで中央大学法科大学院で講師(企業金融)を務める。主な業務分野は、キャピタル・マーケット案件(株式/社債等)、金融商品取引法、国際取引案件全般。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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