2010年12月13日
米国の大手航空機メーカーから日本の政治家に裏金が渡ったとされるロッキード事件は1976年2月に米国で明るみに出て、その年の夏には、前首相・田中角栄が東京地検に逮捕される事態に発展しました。総理大臣の汚職が暴かれたという意味でも、戦後日米関係の不明朗な一端を垣間見させたという意味でも、戦後最大の疑獄と言って差し支えないだろうと思われます。
発覚当時、摘発当時、あるいは、公判進行中には不可能だった視点に立ってあの事件を改めて追いかけ、検証してみようと私たちは考えました。2009年以降、アメリカン大学の調査報道ワークショップ(米ワシントンDC)と朝日新聞の報道局(東京)を拠点に、秘密指定を解除されつつある米政府の内部文書を集中して読み漁り、分析と取材を進めてきました。その成果は連載企画『検証・昭和報道』などで朝日新聞紙面に記事として出してきましたが、紙幅の都合で書き尽くせなかった点が多々あります。そこで、この『法と経済のジャーナル AJ』と岩波書店の月刊誌『世界』誌上で詳細を報告します。
1-1) ホワイトハウスに届いたメッセージ「MOMIKESU」
1-4) カネを受け取った高官はだれ? 公務員の名前は暴露されず
1-6) 駐日アメリカ大使館が疑惑の政治家を列挙して本国に報告
1-9) 翌朝、メッセージの変更を依頼「MOMIKESU」に
2-7) ニクソン大統領は田中首相にロッキードの話をしたのか?
3) CIAから「日本の政党」への資金提供で日米が口裏合わせ
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