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偽装請負認め、派遣先企業に団交命令、滋賀県労委 《命令文抜粋》

 大手特殊ガラスメーカー「日本電気硝子」(本社・大津市)が、工場で偽装請負の状態で働かせていた男性労働者(52)の労組から申し込まれた団体交渉に応じなかったのは不当労働行為に当たるなどとして、滋賀県労働委員会は12月6日付で、同社に対し、団体交渉に応じるよう命令した。同県労働組合総連合によると、労働委員会が偽装請負を認めた上で派遣先に団体交渉を命じるのは、中央、都道府県を含め全国初という。

  ▽この記事は2010年12月11日の朝日新聞滋賀版に出稿された原稿に加筆したものです。

  ▽関連資料: 偽装請負の派遣先企業に団体交渉応諾を命じた滋賀県労働委員会の命令書の抜粋

 

 命令書によると、男性は2001年3月に請負会社と雇用契約を結び、滋賀県長浜市にある日本電気硝子の滋賀高月事業場で液晶ガラスの切断業務に従事していたが、2009年1月に解雇された。

 県労委は、日本電気硝子が館内放送などで請負会社の社員にも直接指示していたとして、男性は偽装請負の状態で働かされていたと認定。その上で、同社は製造業派遣の受け入れ可能期間である1年を超えて派遣労働者の労務提供を受けていたとして、「男性に対して雇用契約を申し込む義務があり、団体交渉に応じなければならない」と命令した。

 県労委は「派遣先(日本電気硝子)が、偽装請負により労働者派違法の法規制を免れ、派遣労働者の労務提供を受け続けることは、同法の趣旨のみならず、社会的正義ならびに派遣労働者との間の信義に著しく反するものである」と指摘。「法の趣旨および信義則により、派遣先(日本電気硝子)は、労働者が派遣先における雇用を希望する場合、当該労働者に対し、雇用契約の申込義務があると解するのが相当である」とした。そして、派遣先である日本電気硝子について、「『雇用契約上の雇用主』となるべき連絡性・可能性が現実化・具体化し

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