メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「建物火災は所有者側の放火と推認」、福岡地裁が保険金請求を棄却

奥山 俊宏

 所有する建物を火災で失った人物が保険会社に火災保険の保険金の支払いを求めた訴訟で、福岡地裁は11月12日、「火災は原告またはその意を受けた者の故意によるものと推認するのが相当である」として、請求を棄却する判決を言い渡した。

 ▽筆者:奥山俊宏

 判決によると、原告は2007年10月17日、前日に購入した建物について、被告の保険会社との間で個人財産総合保険契約を結び、同月末、「高年者共同生活施設」の運営に使用するという相手に建物を賃貸した。ところが、同年12月2日未明、原因不明の火災で建物は全焼した。賃借人はそのとき外出中で、ネットカフェの駐車場で仮眠していたという。原告は、火災を原因とする保険金の支払いを保険会社に請求したが、断られたため、6024万円の支払いを求めて保険会社を福岡地裁に提訴した。

 判決はまず、出火場所について建物の中の「和室の内部」と判断。出火原因については、タバコの火などの不始末の可能性や「第三者の放火により火災が発生した可能性」を検討したが、いずれについても「極めて低い」とした。そして、「原告または賃借人もしくは同人らから鍵を渡された人物であれば、内部に侵入して放火を実行することは可能で

・・・ログインして読む
(残り:約309文字/本文:約820文字)