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「工業会」が特許を背景に販売を制限か 加盟社で独占はかる? 公取委が警告へ

 群馬県の技術基準の適用を受けたバリアフリー化のための側溝を、製造・販売する業者の事業協同組合「群馬県GBX工業会」(前橋市)が、側溝の特許などを背景に加盟社以外は製造・販売できないよう制限していた疑いが強まり、公正取引委員会は独占禁止法(事業者団体の禁止行為)に違反する恐れがあるとして、同工業会に警告する方針を決めた。工業会側からの意見を聴いたうえで、年明けの1月にも、正式に警告を出す見通しだ。

  ▽筆者:小島寛明

  ▽この記事は2010年12月22日の朝日新聞朝刊に掲載された原稿に加筆したものです。

 

 県や製造業者によると、この側溝は道路の雨水を排水する「群馬県型暗渠(あんきょ)側溝(GBX側溝)」。バリアフリー化の障害になるため歩道には側溝を設けず、歩道と車道の境に設置されたブロックの下に暗渠側溝を整備する。

 県は、GBX側溝の共同開発を県コンクリート製品協同組合に依頼。これまでの側溝はメーカーごとに製造・販売していたが、構造を統一することで安価な製品の供給と維持管理、補修などの簡素化を図る狙いだったという。

 GBX側溝が2006年4月に県の技術基準の適用を受けたのに伴い、同年9月、GBX工業会が設立され、県内のコンクリート製造十数社が加盟した。工業会幹部らはGBX側溝の特許や意匠、商標を登録したとされる。

 また、工業会はGBX側溝を加盟各社が共同で製造・販売・宣伝する製品だとして、各社に製造シェアを割り付け、毎週開く委員会で販売を担当する会社を選定。顧客となる建設会社や建材店からの受注を報告させていたという。側溝の単価も工業会側が決めていたとされる。

 関係者によると、公取委は、工業会が特許やこうした内部ルールなどを背景に、加盟社以外がGBX側溝を製造・販売できないよう制限した疑いがある、と判断したとみられる。

 加盟社の中には、顧客から独自にGBX側溝を受注し、工業会を通さずに販売したことから、除名された業者もいるという。

 公取委は、法的措置に至らない場合でも、独禁法違反の疑いがあるときは業者らに警告し、是正するよう指導している。

 ■「県型」側溝、地元業者支援 工業会、厳格なルールで製造・販売独占はかる?

 構造を統一した「群馬県型」側溝があれば、発注する県も、業者も手間が省け、零細企業でも製造できる――。群馬県GBX工業会が公正取引委員会の警告を受ける見通しになった暗渠側溝は、こうした目的で開発された。だが、工業会は厳格なルールを設けるなどして製造・販売を独占し、県外業者などとの競争を避けようとしたとみられる。

 独自の「県型」側溝は各地にある。千葉県によると、構造を統一した側溝の方が使いやすいため、県型を開発したという。型枠を確保していれば製造できるため、業者の経費削減にもなる。

 同県の担当者は「業者に同じ型枠を持ってもらって、規格品をつくってもらうのが狙い。地元の産業の育成にもつながる面がある」と話す。

 群馬県も、道路ごとに別の構造の側溝を使うと、維持や管理などが複雑になることから、統一的な、GBX側溝を開発することにした。開発を通知する県の文書は「県内のほとんどの中小零細企業でも製造が可能」としている。

 群馬県の担当者は「多くの業者が

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