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JR脱線第2回公判 「これから恋もするはずだった」「奪った親友かえせ」遺族・負傷者の調書読み上げ

 遺族、負傷者らが亡くなった家族への思いや事故時の生々しい状況を語った調書が法廷で読み上げられた。12月24日に神戸地裁で開かれた山崎正夫・JR西日本前社長の第2回公判。事故を思い起こさせる内容に悲しみがこみ上げ、席を立つ遺族の姿もあった。

  ▽筆者:千種辰弥

  ▽この記事は2010年12月25日の朝日新聞朝刊兵庫版に掲載されたものです。

  ▽関連資料: 起訴状

  ▽関連資料: 前社長による罪状認否

  ▽関連資料: 検察官の冒頭陳述

  ▽関連資料: 弁護人の冒頭陳述

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 調書の多くは事故から2~3カ月後に語られた内容で遺族20人、負傷者ら9人分。検察官はまず遺族のものから読み始めた。

法廷には被害者の調書を読み上げる声が響いた=2010年12月24日、神戸地裁
 夫を亡くした妻は、高校生と中学生だった息子2人を抱え、「この先どうすればいいか」と途方に暮れた。長男は勉強が分からない時、「お父さんがいたら教えてもらえるのに」と漏らした。次男は父のパジャマを着て眠り、父が読んでいた本を読んで、父に少しでも近づこうと背伸びしているように見えた。「けなげな姿に胸が痛む」

 17歳の娘を亡くした父は、「これから恋をするはずだった」といとおしがった。パティシエになりたいと言っていた娘が食べさせてくれたケーキの味を思い出し、「あの味がどれだけ幸せだったか」と語り、「ラッピング用の紙を使うあるじはもういない」と娘のいない家の寂しさを語った。

 続いて負傷者の調書の朗読に移った。阪神大震災よりも激し

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