2011年01月08日
▽筆者:奥山俊宏
▽この記事は2011年1月8日の朝日新聞夕刊に掲載された原稿に加筆したものです。
▽関連資料:イージス艦「あたご」航海長聴取メモの不開示決定(存否応答拒否)を取り消した防衛大臣の決定の理由の全文(PDFファイル)
あたごの航海長は衝突事故が発生した2月19日の午前中に、海上幕僚監部の指示を受け、ヘリコプターで東京・市谷の防衛省に移動。正午から大臣室で石破茂・防衛相らの事情聴取を受けた。その際、同省運用企画局の職員がメモを取っていた。これらは、刑事事件として事案解明の捜査にあたる海上保安部の了解を得ず、しかも、行方不明者捜索が続く中で行われていたため、のちに国会などで問題となった。同月28日の記者会見で防衛事務次官は、事情聴取の際に運用企画局の職員がメモを記録したことを明らかにしていた。
情報公開法に基づく、防衛相へのこのメモの開示請求は3月4日付で受け付けられた。しかし、同省大臣官房の情報公開室の説明によれば、同月下旬から4月上旬までの間に、メモを作成した運用企画局の職員当人がこのメモを廃棄したという。同省はそのことを知らせないまま、5月7日、「対象文書の存在の有無を明らかにすると捜査に支障を及ぼすおそれがある」という理由で文書不開示の決定(存否応答拒否)をした。
この決定に異議を
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