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「公益通報制度が機能しているか検証を」調査会報告まとまる

奥山 俊宏

 内閣府消費者委員会の公益通報者保護専門調査会は25日、最後の会議を開き、「公益通報者保護法およびその趣旨に反する不適切な対応を防止するため、既存の制度が十分機能しているかについて検証した上、運用の充実も、速やかかつ具体的に図っていく必要がある」などと政府に求める報告書の案を大筋で了承した。公益通報者保護法の改正については積極・消極の両論を併記し、結論を先送りする内容になった。座長の島田陽一・早稲田大学法学学術院教授は「まだまだ様々な点で意見が多様で、私の判断では、何か一つの方向での改正には熟していないなと思った」と述べた。

 

 同調査会は、この春に施行5年を迎える公益通報者保護法について議論するため、内閣府の消費者委員会の下に設けられ、昨年6月に第1回の会議を開いた。25日は第8回の会議で、東京都千代田区永田町2丁目の山王パークタワー6階にある同委員会の大会議室で開かれた。「公益通報者保護法の施行状況についての検討結果」と題する調査会報告の案が議題とされた。

公益通報者保護専門調査会の第8回会議=1月25日午前10時10分
 調査会報告の案は「労働者に対する法の周知、中小規模の事業者や行政機関における通報処理制度・窓口の導入が伸び悩んでいる」と指摘し、政府に対して「法の周知」や「通報窓口の設置促進のための施策の積極的な実施」などを求めた。しかし、公益通報者保護法の具体的課題については「一致に至らなかった」とし、今後の「きめ細やかな調査」などの実施を政府に求め、「その結果を踏まえ、法改正によって見直すべき課題がある場合には、その課題を解決するための法の改正を真摯に検討すべきである」とした。

 調査会の議論の過程では

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