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ごみ焼却施設の談合賠償金、高利で自治体潤す

住民訴訟で相次ぐ勝訴 環境省も分配ルールを策定

 ごみ焼却施設の談合事件をめぐり、「建設費がつり上げられた」として業者を相手に住民が起こした損害賠償請求訴訟で、住民側の主張を認める判決が相次いでいる。2007年以降の計11件で、業者が自治体に支払うことになった賠償金は利子を含めて約340億円。環境省は戻ってきた金を、国と自治体でどう配分するかの基準を作って運用を始めている。

  ▽筆者:赤井陽介

  ▽この記事は2009年8月20日の朝日新聞夕刊に掲載された原稿にその後の取材を踏まえて加筆したものです。

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 公正取引委員会は1999年8月、全国のごみ焼却施設の入札で談合を繰り返していたとして、大手プラントメーカー5社に排除勧告を出した。5社は不服を申し立て、談合の有無について争ったが、最高裁で2009年10月に5社の上告が棄却され、談合が存在していたことを前提に公取委の排除勧告が確定した。それとは別に、約270億円の課徴金納付命令については、3社と公取委の間で係争が続いている。

 自治体の間では公取委と5社の間で訴訟が決着するのを待って動きだそうという様子見が多かったが、争いが長期化する中で、各地の住民たちが業者に損害賠償を求めて相次いで提訴。その多くで談合が認定されてきた。公正取引委員会当局と業者の間で決着する前に、住民訴訟の方で談合があったと認定されるという異例の展開になった。

 市民団体「全国市民オンブズマン連絡会議」によると、住民訴訟は14件にのぼり判決が確定したり和解したりした13件のうち、11件で賠償金や和解金が得られた。住民訴訟で住民側の勝訴が相次ぎ、金を取り戻せることが分かると、発注した自治体や事務組合が原告となって訴訟を起こす動きも加速。連絡会議のまとめではそうした訴訟は25件あるが、うち5件で70億円以上を勝ち取り、今後も増える可能性があるという。

 そうして業者から戻ってきた金は、財政難に苦しむ自治体には思わぬ「臨時収入」とも言える。全国市民オンブズマン連絡会議の試算では、取り戻した約340億円のうち、100億円以上が利子部分。超低金利の時代に、1年あたりにならすとおよそ5%の利子がついている計算になるという。

 07年に判決が確定し、業者から約24億円が支払われた京都市は、国に返還した補助金分などを差し引いても、08年の一般会計に約6億7千万円のプラス。「児童館一つの建設費が約1億円。六つ分に相当するお金が、市民に還元されたことになる」と担当者。

 ほとんどの事業には国の補助金が出ているため、環境省は、戻ってきた賠償金や和解金を国と自治体でどう配分するかの基準を作り、昨年2月に各自治体に通知した。先行した京都市の場合と同じ、国の補助金の割合に応じて国庫に戻す方式だ。国の補助金を3割使った事業なら、賠償金も3割が国に戻ることになる。

 ごみ焼却施設だけでなく、し尿処理施設などのケースも含めた廃棄物処理施設における談合など不正行為について環境省が昨年12月にまとめた資料によると

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