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真の第三者委とは? 「経営者に不利なことも書く」と日弁連ガイドライン

奥山 俊宏

 「第三者委員会」が増えている。企業や官庁、学校など組織に不祥事が浮かんだときに設けられ、外部の目で事実を明らかにし、処方箋を示すのがその役割だ。報酬を支払ってくれる依頼主を相手に厳しい指摘を辞さない、そんな「真の第三者委員会」のあり方が日本弁護士連合会によって示され、定着するかどうか注目されている。

  ▽筆者:奥山俊宏

  ▽この記事は2011年2月9日の朝日新聞に掲載された原稿に大幅に加筆したものです。

  ▽関連記事:   第三者委ガイドラインを作った久保利、國廣、斉藤の3弁護士に聞く

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  ▽関連資料:   「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に関する日弁連の発表

 

 ■「真の依頼者」と「名目上の依頼者」

 「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」は昨年7月15日、日本弁護士連合会から発表された。

 きっかけは、「企業のウソ、上塗り 『第三者委』の調査ずさん」という

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筆者

奥山 俊宏

奥山 俊宏(おくやま・としひろ) 

 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。2013年から朝日新聞編集委員。2022年から上智大学教授(文学部新聞学科)。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。近刊の著書に『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実 改正公益通報者保護法で何が変わるのか』(朝日新聞出版、2022年4月)。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。 「後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態とその是正の必要性を明らかにした一連の報道」でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞を受賞。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)、『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。
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※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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