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内閣府消費者委が意見「公益通報の当事者からも話を聴いて調査を」

奥山 俊宏

 一定の要件を満たす内部告発をした労働者に対する不利益扱いを禁止する公益通報者保護法が施行されてこの3月末で満5年となるのを前に、内閣府の消費者委員会は11日、同法の運用、適用、遵守状況などについて、実際に公益通報をした当事者や報道機関から話を聴くなど「充実した調査」をするよう消費者庁に求める意見をまとめた。記者会見した消費者委の松本恒雄委員長(一橋大学大学院法学研究科教授)は、公益通報者保護法の改正など見直しについて、「調査をして何かが出てくれば、それに基づいて議論を行うことになるだろうし、調査をしても決定的なデータが出てこないということであれば、しばらく見直しは置いておくということになるんだろうと思う」と述べた。

  ▽筆者:奥山俊宏

  ▽関連記事:   公益通報者保護法、内閣府消費者委が議論、大阪弁護士会が意見書

  ▽関連資料:消費者委員会が発表した「公益通報者保護制度の見直しについての意見」の全文

 

 公益通報者保護法は2004年に制定され、2006年4月1日に施行された。同法はその付則で、施行5年をめどに、施行状況の検討と必要な措置を講じることを政府に義務づけている。このため、内閣府の消費者委員会は昨年、公益通報者保護専門調査会を設け、今年1月にかけて検討したが、法改正については結論を出すことができず、「通報しようとする者にとって法が障害となっているか否かという観点からの検討や議論が全く不十分」(日本弁護士連合会)などの批判が出ていた。

 11日午後に開かれた第50回の消費者委員会で、公益通報者保護制度が議題に取り上げられ、委員長代理の中村雅人弁護士は、専門調査会の報告が公表された後、大阪弁護士会や日本弁護士連合会、さらに、数人の「公益通報事案当事者」らから「法改正の必要を実に示唆する複数の意見」が消費者委に寄せられ、朝日新聞の社説も改正を主張している、と指摘した。

 中村委員長代理は、「現状においては見直しのための十分な調査が行われているとは言えない」「このため、消費者委員会としては、本法を所管する消費者庁に対して、法の運用、適用、遵守状況も含め、充実した調査を行うことを求める」などとする「公益通報者保護制度の見直しについての意見」の案を読み上げ、異論はなく、そのまま採択された。

 この「意見」は、調査する相手先として「労働相談窓口、労働委員会、裁判所、弁護士会、行政機関、マスコミ、公益通報事案の当事者」と明示し、「公益通報に関連する紛争の実情・実態を調査し、傾向・問題点を洗い出すこと」を消費者庁に求めている。

拡大記者会見する消費者委員会の松本恒雄委員長=11日午後5時10分、東京都千代田区永田町2丁目で

 消費者委員会が終了した後、松本委員長が記者会見し、「いついつまで

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筆者

奥山 俊宏

奥山 俊宏(おくやま・としひろ) 

 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。2013年から朝日新聞編集委員。2022年から上智大学教授(文学部新聞学科)。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。近刊の著書に『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実 改正公益通報者保護法で何が変わるのか』(朝日新聞出版、2022年4月)。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。 「後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態とその是正の必要性を明らかにした一連の報道」でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞を受賞。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)、『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。
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※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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