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海水中の放射能「ふつうではない広がり」?

奥山 俊宏

 東京電力福島第一原子力発電所は、原子炉建屋を破壊され、外に放射性物質を放出する異常な事態に陥っている。3月22日、福島第一原発の南の海岸で取った水から基準値を超える量の放射性物質が検出されたことが明らかにされた。原発の危機に東京電力はどう対処したのか。東京都千代田区内幸町の東京電力本店から報告する。

 

 ■22日午前1時過ぎ

 原子炉や使用済燃料プールに状況好転の兆しが見えてきたことで、やや弛緩した空気の漂っていた22日午前1時前、「皆さまに配布したい資料がございます」と東電社員が記者に告げる。「なんだろう?」と、いぶかしがる記者たち。

 22日午前1時18分、資料の配布が始まる。そのうちの一つは次のようなタイトルだ。

 「福島第一原子力発電所放水口付近の海水からの放射性

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