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東京電力が放射能広がり試算を公表できない理由は?

奥山 俊宏

 東京電力福島第一原子力発電所は、建屋を破壊され、外界に放射性物質を放出する異常な事態に陥っている。放射性物質はどのように広がっていくのか、東京電力が独自にシミュレートした結果について、東電の武藤栄副社長は3月23日夜、「残念ながら意味のある結果にはなっていない」として公表を拒否する考えを明らかにし、さらに24日未明、シミュレーションそのものをしていないと東電は発表した。原発の危機に東京電力はどう対処したのか。東京都千代田区内幸町の東京電力本店から報告する。

  ▽筆者:奥山俊宏

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 ■3号機から黒煙

 23日午後4時32分、記者が集まっている部屋に東電社員が現れて告げる。

 「福島第一原発3号機で煙が先ほどから発生しております。念のため作業員の一時的な退避をさせております」

 3号機は前夜、津波に襲われて以来

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