2011年05月13日
▽筆者:奥山俊宏
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■「水位計を信じていいのか疑っている」
3月13日午前2時44分、3号機の原子炉に水を注入していた「高圧注水系」が停止する。炉の蒸気でポンプを動かす「原子炉隔離時冷却系」の再起動を試みるが、うまくいかない。炉内の水位が下がっていく。
前日の1号機に続いて、3号機の原子炉も冷却不能に陥る。
前夜までは、燃料棒の上端より5メートル前後の高さまでの水位が確保されていた。それが午前5時、8時間ぶりに得られた測定値によれば、マイナス2メートル。燃料棒の上の半分が気中に露出している。
原子炉圧力容器の内部の圧力が急上昇する。午前2時過ぎまでは数気圧だったのが、午前5時には74気圧(7481キロパスカル)を上回る。ディーゼル駆動の消火ポンプで水を入れようとするが、圧力の高さに負けて入らない。
午前5時10分、原子力災害対策特別措置法15条に定める特定事象に3号機の「非常用炉心冷却装置注水不能」が当たると判断。午前5時38分、「全注水機能喪失」を経産省に通報する。ベントの作業に着手し、午前8時41分に完了する。午前9時5分、圧力容器の安全弁を開き、内部のガスを格納容器側に逃して、炉圧を下げる。9時8分、消火系配管を使って炉への注水に着手する。637キロパスカルに達していた格納容器の圧力が午前9時20分に下がり始め、ベントが成功したと判断される。敷地内の放射線量が再び上昇する。午後1時12分、それまでの真水注入を海水注入に切り替える。午後1時52分、敷地内で毎時1557マイクロシーベルトの放射線量が測定される。
午後4時6分、東電本店1階で、広報部の吉田薫部長、原子力設備管理部の黒田光課長、巻上毅司課長の記者会見が始まる。
質問は3号機の炉心水位に
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