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《決定書全文》東京地裁、小沢一郎議員元秘書ら供述調書の一部を証拠採用せず

 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、東京地裁(登石郁朗裁判長)は12日、衆院議員・石川知裕被告(38)ら元秘書の自白調書の一部を証拠採用しなかった地裁決定に対する東京地検の異議を棄却した。これ以上の不服申し立ての手段はなく、これらの証拠を排除して地裁が一審判決を言い渡すことが決まった。政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で公判中の石川議員ら3人の調書計38通を検察側が証拠請求したのに対し、地裁は6月30日の決定で11通を「任意性がない」として全部却下し、他の多くの調書も一部却下としていた。却下された調書には「小沢氏に虚偽記載を報告し、了承を得た」とする内容も含まれている。

  ▽この記事は2011年7月2日と7月13日の朝日新聞に掲載された原稿を再構成したものです。

  ▽関連資料:   小沢一郎議員 記事一覧

  ▽関連資料:検察官の証拠調べ請求の一部を却下した6月30日の東京地裁決定(PDFファイル)

  ▽関連資料:検察官の異議申立書に関する7月12日の東京地裁決定(PDFファイル)

  ▽関連資料:  刑事訴訟法321条1項と同322条1項の条文の抜粋

 

「特捜は恐ろしいところ」「小沢氏起訴されぬ」

 検察側は石川議員のほか、元秘書・池田光智被告(33)、元会計責任者・大久保隆規被告(50)の3人の捜査段階の供述調書計38通を証拠請求していた。地裁は6月30日付でこのうち11通を「任意性がない」として全部却下し、他にも多数の調書を一部却下した。

 「特捜部は恐ろしいところだ。捜査の拡大がどんどん進んでいく」――。決定書はこうした検事の言葉により石川議員が「強い心理的圧迫を受け、小沢氏に累が及ばないように妥協していた」と指摘。「政治資金収支報告書に虚偽の記載をした」と初めて認めた調書の任意性を否定した。

 2004年10月の土地購入の原資となった4億円について「小沢氏が蓄えた簿外資金。虚偽記載することは大久保元秘書と小沢氏に報告した」と認めた調書も、「検事が『これくらい書いても小沢さんは起訴にならないから』と利益誘導をした」と述べた。

 石川議員の女性秘書を夜中まで聴取したり、石川議員の目の前で検事がメモを破ったりした行為も非難。事件の核心につながる調書を次々と却下した。

虚偽事実告げ、自白誘導

 起訴直前の昨年2月2日付の調書には、次のような問答があった。

 検事 「大久保は05年3月ごろ、石川から『小沢先生からお借りした4億円と土地購入の件は(収支報告書から)外しています』と報告されたと供述しているが、どうか」

 石川議員 「大久保がそのように言っているのであれば、そうだったかもしれません」

 決定書によれば、この調書が作成される前の昨年1月30日、大久保元秘書が石川議員から報告を受けたことを否定すると、検事は「石川は大久保に報告したと認めている」と虚偽の事実を告げた。その結果、大久保元秘書は「報告を受けた」と自白する調書に署名。石川議員も大久保元秘書への報告を認める調書の作成に応じた。

 大久保元秘書を調べたのは、証拠改ざんで実刑が確定した大阪地検特捜部の前田恒彦元検事。大久保元秘書は公判で「前田検事にだまされた」と振り返った。

 決定書はまた、石川議員が起訴後の昨年5月の聴取で、検事とのやりとりを隠し録音したICレコーダーを重視した。検察審査会が小沢氏に「起訴相当」議決を出したことを受けて、特捜部が再聴取した様子が生々しく記録されていた。

 「検察が石川議員を再逮捕しようと本気になった時、全くできない話かっていうと、そうでもない」――。決定書は「石川議員の心情につけ込んで自白の維持を求めた。そのような取り調べの存在は、録音がなければ水掛け論に終始した可能性もある」と指摘した。池田元秘書の調書の任意性を否定する際にもこの録音を根拠に「『疑わしきは被告人の利益に』の原則を重視した」と述べた。

弁護側「刑事司法の転換期」 検察側「特捜の足元見られた」

 決定について石川議員は「

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