2011年07月31日
そんな事実が、秘密指定を解除された米政府の内部文書の数々に浮かび上がる。
米国の大手航空機メーカーから総理大臣・田中角栄ら日本の政治家に裏金が渡ったとされるロッキード事件。この連載『秘密解除・ロッキード事件』では新たな資料をもとに新たな視点からこの事件を見直していく。この第4部では、アメリカ政府が田中角栄をどう見ていたのか、田中に対する米政府の見方・評価に焦点をあてる。
▽筆者:奥山俊宏
▽敬称は略しました。
▽この記事は岩波書店の月刊誌『世界』2011年4月号に掲載された原稿に加筆したものです。
▽この連載の第1部: ホワイトハウスに届いたメッセージ「MOMIKESU」
▽この連載の第2部: 「ハイレベルの米政府の圧力」で圧力
▽この連載の第3部: CIAから「日本の政党」への資金提供で日米が口裏合わせ
■「ほのかな腐敗のオーラ」
汚職への懸念は早くから米政府に伝わっていた。
「契約業者とのつながりに由来するほのかな腐敗のオーラ(a faint aura of corruption)」
田中が日本の総理大臣に就任するより1年余り前、米国の駐日大使館は本国への報告の中で田中の弱点の一つをそん
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