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窪田元会長は闘病中、東郷元頭取はジャスダック上場企業で社長も歴任

奥山 俊宏

 日本債券信用銀行の粉飾決算事件の2度目の控訴審判決が30日、東京高裁で言い渡された。被告人らは、起訴されてから12年余を経て、待ち望んだ「無罪」の宣告を初めて聞いた。

 

 差し戻し控訴審の法廷に窪田元会長の姿は最後までなかった。病と闘っているからだ。

 「生きるって大変なことだよ」。最近、そんなことを口にするのを関係者は耳にした。

 大蔵省出身の窪田元会長、日本銀行出身の東郷元頭取は、日債銀が経営難に陥った後、その立て直しをそれぞれの古巣から依頼されて日債銀に入った。破綻の責任はない人たちだ。にもかかわらず、前任者たちが作った不良債権の一部についてその処理を先送りしたとして逮捕・起訴された。

 「大蔵省に35年勤めさせていただいて、一種のご恩返しというような意味も含めてこの日債銀の再建に努力をさせていただいたんですが、そのリターンが刑罰だというんじゃ、もう、いたたまれない、名誉も何も今までの努力が全部水泡に帰し、こういうことがあり得るのか、あっていいのかという納得できない気持ちでいっぱいでございます」

 2006年9月8日、差し戻し前の控訴審法廷で窪田元会長は

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