2011年09月13日
▽筆者:奥山俊宏
▽この記事は2011年9月13日の朝日新聞夕刊に掲載されたものです。
▽関連資料:「福島第一原子力発電所1号機において耐圧ベントができない場合に想定される事象について(案)」と題した原子力安全・保安院の内部文書(PDFファイル)
▽関連記事: 東京電力本店からの報告
この文書は「1号機において耐圧ベントができない場合に想定される事象について(案)」と題され、保安院が3月12日午後1時ごろに作成した。
当時、1号機の格納容器の内部の圧力は750キロパスカルで、設計上の使用圧力を大きく超えていた。格納容器の破裂を防ぐため、東電は午前中から、内部のガスを外部に放出する「ベント」と呼ばれる作業を始めたが、弁を開けるのに手間取っていた。
保安院の文書は「ベントができない状態が継続する場合、約10時間後(午後11時)に大量の放射性物質が放出される」「気象条件によっては、発電所から3~5キロの範囲において著しい公衆被ばくのおそれがある」としている。
この文書は3月12日午後2時2分に保安院から原子力安全委員会にファクスで送られた。実際には午後2時半を境に格納容器の圧力は下がり、この文書が心配したような大量放出は避けられ、東電は「ベントに成功した」と発表した。また、敷地境界(正門付近)での実際の
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