2012年12月08日
▽筆者:村山治
▽この記事は9月20日に出版された単行本「小沢一郎vs.特捜検察20年戦争」(村山治著、朝日新聞出版)に収載された原稿の一部を取り出し、それに加筆したものです。
▽この連載の第1回: 金丸自民党副総裁の5億円受領「先行自白」舞台裏の真実
▽この連載の第2回: 5億円ヤミ献金「帰属」で小沢・金丸氏側と検察の攻防
▽この連載の第3回: 5億円ヤミ献金事件で検察が金丸氏を取り調べなかった理由
▽この連載の第4回: 「政・財・暴」癒着の陰で進行した暴力団の企業浸食
▽この連載の第5回: 政権樹立の陰で暴力団が暗躍した「竹下ほめ殺し事件」
▽注:本文中の敬称は原則、略しています。
■政治家の実名が記載された調書を朗読
いろいろ問題はあったが、東京佐川急便元社長の渡邊廣康、S元常務、S・M「北祥産業」元社長らに対する特別背任事件の公判は92年9月22日に東京地裁で始まった。公判は、9月22日の初公判から11月2日の公判までは3被告併合で開かれ、起訴状朗読、罪状認否、検察側冒頭陳述から証拠調べと進んだ。それ以降は、被告人ごとに公判は分離され、いずれも小出錞一裁判長のもとで審理された。
92年11月5日午後、東京地裁で開かれたS・Mの公判で、とんでもないことが
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