2011年12月04日
▽筆者:奥山俊宏
▽編集補助:竹田瑠海
▽関連資料: ウッドフォード社長解任を発表した10月14日の記者会見の一問一答
▽関連資料: 菊川会長兼社長の辞任と高山新社長の就任を発表した10月26日の記者会見の一問一答
▽関連資料: 過去の企業買収に関する10月27日の記者会見の一問一答
▽関連資料: 過去の損失計上先送りに関する11月8日の記者会見の一問一答
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■ホームページの社長メッセージの変遷
10月中旬以降、インターネット上にあるオリンパスのホームページのトップにそのときどきの社長のメッセージが大きく掲げられている。
10月14日にマイケル・ウッドフォード氏を社長から解任し、その後釜に座った菊川剛・会長兼社長(当時)は、そのメッセージのなかで、「一連の報道内容や株価の低迷等を通じて、各方面にご心配、ご迷惑をおかけしておりますこと」について「深くお詫び申し上げます」と前置きした上で、「新聞等で報道されている過去の買収」について「適切な評価、手続きを経て実施した」「決して不正行為はございません」と抗弁した。「報道が悪い」と言わんばかりの反論だった。
菊川会長兼社長は10月26日に辞任し、代わりに高山修一専務が社長に就任した。しかし、高山新社長はその日と翌日の記者会見で菊川氏の主張をそのまま引き継ぎ、記者たちを驚かせた。オリンパスのホームページに掲載された高山社長の「お知らせ」の要点は菊川社長時代の「お知らせ」の文言を引き写したもので、「適切な評価、手続きを経て実施した」「決して不正行為はございません」という抗弁を維持していた。
ところが、11月8日の記者会見で高山社長は不正を認め、ホームページのメッセージからもそれまでの抗弁を削除した。しかし、「一連の報道内容や株価の低迷等を通じて、各方面にご心配、ご迷惑をおかけしておりますこと」について「深くお詫び申し上げます」という前置きはそのままだった。不正そのものに対する「お詫び」、損失を隠して株主や証券市場を欺いたことに対する「お詫び」は、ホームページのトップには見あたらなかった。
現在、オリンパスのホームページのトップには高山社長の「謹告」が掲載されている。その冒頭には「過去の買収案件に関する第三者委員会の調査の過程にて、弊社が有価証券投資などに関する損失の計上を先送りしていたことが判明いたしました」と書かれ、その上で、「株価の下落など」や「多大なるご迷惑をおかけしておりますこと」について「深くお詫び申し上げます」と謝罪している。「一連の報道内容」に対する批判的な言及は削除された。
■記者会見での発言の変遷
一連の騒動の幕を開
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