第三者委員会報告書を踏まえた会社の対応に関する2011年12月7日のオリンパス記者会見の主なやりとり
2011年12月29日
▽筆者:奥山俊宏
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第三者委員会はオリンパスによって11月1日に設けられ、損失隠し事件について調査したうえで、12月6日に報告書をまとめ、公表した。報告書は「再発防止策」として「旧経営陣の一新」を最初に掲げ、「不正経理に多少なりとも加担した役員」だけでなく、「15分程度の会議で問題案件を処理した当時の取締役」も含め、「しかるべき時期に交代すべきである」と提言した。第三者委の委員長を務めた甲斐中辰夫・元最高裁判事によれば、この「当時」というのは2008~2009年だという。高山社長はこの「当時の取締役」に含まれる。
これに対して高山社長は12月7日の記者会見で「現在の立場に固執するつもりはまったくございませんし、ある一定のめどがついたところで、交代を考えている」と述べたが、交代の時期については明かさなかった。自身が社長を続ける可能性があるのかという質問に対しては、「そういうふうにはなかなか言いにくい」としつつ、「これからの検討次第」と答えた。また、「(取締役の)全員が一気に交代してしまえば済むかということは、いまここでは明言できない」とも述べた。次の株主総会に提案する取締役候補者の名簿について「我々が作った案」と表現し、自身がその選定に関与する姿勢を示した。
第三者委の報告書は、オリンパスの取締役たちについて「役員の間には、会社を私物視する意識が蔓延し、株主に対する忠実義務などの意識が希薄であった」「巨額の資金の運用や移動、巨額損失の発生といった事象について問題として意識もされない程に役員の感覚が鈍磨していた」と批判し、「健全な経営感覚からすると疑いを持ってしかるべき取引が取締役会に上程されたとき、正確な情報が与えられないこともあったが、十分な検討が行われた形跡はない」と指摘した。また、疑惑を追及したウッドフォード元社長を解任したことについて、第三者委の報告書は「オリンパスの取締役会はここでもチェック機能を果たせなかったことになる」と批判的に言及した。
これについて、高山社長は12月7日の記者会見で、「私ども、判断をきちっとできなかったという状況もあったにせよ、たしかにおっしゃる通りで、そこはもう我々としては厳正に受け止めている」と答えた。一方で、「当時としてはですね、やむをえない部分、たしかにこれはあったというふうに思っております」とも強調し、「違法行為の発生を防ぐために監視すべき立場にある役員の責任については、いまだ明らかとはいえない」との判断も明らかにした。「報告書の内容を会社として受け入れるのか?」との質問に対しては、高山社長は「受け入れる」とは述べず、「基本的にはすべて検討の対象として考えております」と答えた。
◇
12月7日の記者会見は午後3時過ぎから1時40分余にわたって、東京・西新宿の京王プラザホテル5階の「コンコードボールルーム」で開かれた。主なやりとりは次の通り。
■司会者「何回にもわたってご参集いただき……」
司会者:5分ほど遅れましたけれども、これよりオリンパス株式会社の記者会見をおこないたいと思います。
本日はですね、さくじつ、12月6日に、報告がされました、オリンパスの第三者委員会の報告を踏まえた当社の対応につきましてのご説明をさせていただきたいと思います。
えー本件に関しましては、10月以来、大変ご多忙ななか、何回にもわたりまして、ご参集をいただきまして、誠にありがとうございます。おかげさまをもちまして、えー第三者委員会からの報告をですね、さくじついただくことができました。これにつきましての当社の対応のご説明をきょうははさせていただきたいと、いうふうに存じます。
本日の登壇者の紹介をですね、公表させていただきたいと存じます。まず、オリンパス株式会社代表取締役社長執行役員、高山修一でございます。
オリンパス株式会社経理部長、大西伸幸でございます。
はい、よろしくお願いしたいと思います。えーお手元にですね、あの
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