2012年01月26日
▽筆者:千葉正義
▽この記事は2012年1月12日の朝日新聞に掲載されたものです。
▽この連載の第1回: 揺れる遺族「責任追及」と「再発防止」のはざま
▽関連資料: JR西日本の山崎元社長に無罪を言い渡した2012年1月11日の神戸地裁判決の要旨
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宝塚線脱線事故をめぐるJR西日本前社長、山崎正夫被告(68)の無罪判決から6時間後の11日夕、佐々木隆之社長は大阪市北区の本社ロビーで待ち受けていた記者団の取材に答えた。
「私の立場からは申し上げられない」。判決の評価にかかわるような問いへの答えはかたくなに避け、10分余りで立ち去った。
報道各社は記者会見を開くよう要望したが、「個人の裁判。会社から積極的に言うべきことはない」(広報部)と拒否し、妥協策として立ち話に応じる形をとった。
山崎前社長は2009年7月に在宅起訴され、翌月社長を辞任。会社は訴訟に表向き距離を置き、佐々木社長も「重大な関心はある」としつつ「会社としてかかわるのは正しくない。第三者だ」としてきた。
だが、前社長が書類送検された08年9月に作成された社内文書に、その言葉とは裏腹の記述がある。
「会社としての当面の目標を、最終的に起訴を回避することに置く」
「《起訴を回避すべき理由》JR西日本ブランド失墜(低迷)の回避」
捜査段階では聴取を受ける社員に想定問答を
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