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空からの放射能汚染把握、実施できず 福島第一原発事故発生当初

自衛隊ヘリと測定員が行き違い

奥山 俊宏

 東京電力福島第一原子力発電所で放射性物質の大量放出が始まった昨年3月12日、放射能の拡散を空からすばやく把握する「航空機モニタリング」が、省庁間の連絡の行き違いで実施できなかったことが分かった。自衛隊が人命救助に使っていたヘリコプターを回したにもかかわらず、測定担当者が来なかった。同日は住民の大量避難が続き、最も放射能の拡散方向を知る必要があった時期。まさにその時期に、情報を入手する絶好の機会を逃していたことになる。

  ▽筆者:奥山俊宏、砂押博雄

  ▽この記事は2012年2月24日の朝日新聞に掲載された原稿に加筆したものです。

  ▽関連記事:   東京電力本店からの報告

 

 「航空機モニタリング」は、放射線検出器、全地球測位システム(GPS)、ノート型パソコンを組み合わせたシステムを、測定員が航空機に手荷物として持ち込んで実施する。高度数百メートルを飛んで測定し、電子地図に放射線量の分布を表示する。車を使った地上での測定に比べ、航空機を使うことで、人や車が入れない山間地も含め機動的に測定でき、「迅速」「広範囲」が長所だとされている。「航空機サーベイシステム」と名

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