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アーバンコーポ虚偽で株主全面勝訴、インサイダー取引による株価下落分も 《高裁判決全文》

奥山 俊宏

 2008年8月に民事再生法の適用を申請して倒産した不動産会社アーバンコーポレイション(広島市)から関東財務局に提出された臨時報告書に虚偽の記載があったとして、個人投資家が同社を相手取って損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が3月29日、東京高裁第4民事部(芝田俊文裁判長)で言い渡された。会社側は「株価下落は虚偽記載等以外の原因による」と主張したが、判決はこれについて「経済の実態を見ないものであって採用する余地のないものである」として退け、虚偽記載によって同社の株価が下落して投資家に損害が生じたことを全面的に認めた。投資家側の代理人を務めた荒井哲朗弁護士は「この種の事件の判決群のうち、今までで最良の判示だ」としている。


 アーバンコーポレイションは2008年6月26日、BNPパリバ本社に300億円の新株予約権付社債を発行し、調達した資金は債務の返済に充てると発表し、その旨を記載した臨時報告書を関東財務局に提出した。しかし、実際には、300億円は債務の返済に使われていなかった。同社は8月13日、民事再生法の適用を申請して倒産し、それと同じ日、6月26日提出の臨時報告書を訂正した。原告の投資家は6月27日と7月1日に計600株のアーバンコーポレイション株を購入していた。

 原告の投資家側は、虚偽記載が原因で株価が下落したと主張し、損害の賠償を求めたが、会社側は控訴審で、「8月14日以降に株価が下落したのは、会社が民事再生申し立てをし、それを公表したことが原因」「8月13日までの株価下落は、虚偽記載等の公表の前である」として、原告側の主張を否定した。

 これに対して、高裁判決は「臨時報告書の虚偽記載等は、2008年6月当時、ほとんど破綻に近い状況にあった経営危機を隠蔽するものであった」「これがなければ

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