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ウッドフォード元オリンパス社長「何も変わっておらず、事態は悪化」

奥山 俊宏

 社内で不正経理疑惑を追及したところ逆に社長を解任されたオリンパス元社長のマイケル・ウッドフォード氏が20日に開かれる同社の臨時株主総会出席のため、17日朝、来日した。「オリンパスは何も変わっておらず、事態は悪化している」と朝日新聞記者に語った。

  ▽筆者:奥山俊宏

  ▽この記事は2012年4月19日の朝日新聞に掲載された原稿に加筆したものです。

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著書『解任』を手渡され、初めて手に取ったウッドフォード氏=4月17日午前9時13分、成田空港で

 オリンパスの新しい社長に就く笹宏行執行役員についてウッドフォード氏は「いい人だ。しかし、『いい人』に会社を経営してほしくはない。オリンパスには強いリーダーシップとリストラが必要だ。彼は何人の人を解雇したことがあるというのか?」と語った。

 会長の候補になっている木本泰行・元三井住友銀行専務については「低侵襲手術について彼は何を知っているのか。医療ビジネスについてどう理解しているのか?」と疑問を投げかけ、「そのビジネスで経験がある人間が必要だ」と付け加えた。

 オリンパスの主取引銀行で株主でもある三井住友銀行に怒りを隠さなかった。「私が不正を明らかにしたときにそれを支持せず、(社内にいる)イエスマンの批判もしなかった。あきれるほどひどかった。今や彼らがオリンパスをコントロールしている」

 

 また、不正経理の一端に関与した人物が財務本部長に就任したことなどを取り上げ、「過去のしがらみのある人が会社の重要な地位にいる。『これが日本だ』と一般化されれば、オリンパスの将来にとっても日本の将来にとっても悪影響が出る」と懸念を示した。

 社内で不正経理疑惑を追及したところ逆に社長を解任され、内部告発者となった一連の経緯について、著書『解任』にまとめ、今月12日、早川書房から出版した。「まるで怪奇小説のようだが、これは事実。AIJなどの問題もあり、物語は終わっていない」

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