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監査法人が不正会計の兆候を見つけたら 申出制度と監査役

 オリンパス事件に見られるような不適切な会計処理を防ぐため、平成19年の金融商品取引法の改正で監査法人による不正・違法行為発見時における申出制度が設けられた。監査法人と監査役が連携して不正会計を防止する狙いだ。金融庁勤務時に同制度の立案に関わった町田行人弁護士が、同制度を踏まえた監査役の対応に焦点を当て、制度の意義を解説する。

 

監査法人が不正会計の兆候を見つけたら~
不正・違法行為発見時の申出制度と高まる監査役への期待

西村あさひ法律事務所

弁護士・ニューヨーク州弁護士 町田 行人

町田 行人(まちだ・ゆきひと)
 1994年中央大学法学部卒業、1998年弁護士登録。2004年南カリフォルニア大学ロースクール卒業(LL.M.)、翌年までニューヨークのルバフ・ラム・グリーン・アンド・マクレー法律事務所(合併によりデューイ・アンド・ルバフ法律事務所に名称変更)に勤務。2005年米国ニューヨーク州弁護士登録。2005年から2年間、金融庁総務企画局企業開示課にて、金商法の改正(公開買付制度・大量保有報告制度の箇所)及び公認会計士法の改正を担当。

 ■ はじめに

 2007年(平成19年)の公認会計士法改正に伴い、公認会計士・監査法人による不正・違法行為発見時における申出制度が金融商品取引法において設けられ(193条の3)、2008年4月1日より施行されている。監査法人が監査手続の過程において不正・違法行為を発見した場合の対応については

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