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小沢一郎議員無罪:「共謀」認定に高い壁《判決要旨》

 元秘書らの虚偽記載について、小沢一郎・民主党元代表との「共謀」が認められるかが最大の焦点だった4月26日の東京地裁判決。判決は、元秘書らが土地取引や4億円の処理について小沢氏に報告していたことや、小沢氏の説明の不自然さを指摘しながら、「共謀」までは認めなかった。無罪となったポイントは何か。

  ▽この記事は2012年4月27日の朝日新聞朝刊に掲載された原稿を再構成したものです。

  ▽関連資料:小沢一郎議員に無罪を言い渡した東京地裁判決の骨子

  ▽関連資料:小沢一郎議員に無罪を言い渡した東京地裁判決の要旨

  ▽関連資料:小沢一郎議員のコメント

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 ■ぎりぎり無罪の理由は?

判決公判が開かれた東京地裁104号法廷=26日午前9時57分、東京・霞が関、代表撮影

 判決は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、元事務担当秘書の石川知裕衆院議員(38)と後任の池田光智元秘書(34)が、2004年分の政治資金収支報告書に小沢氏の4億円を記載せず、土地代金の支出の計上も05年分に先送りする虚偽の記載をした――と明確に認めた。

 仮に小沢氏と元秘書らの間に共謀が認められていれば、「共謀共同正犯」として小沢氏は有罪となった。

 判決はまず、小沢氏が提供した4億円を2004年分に記載せず、代金支出を05年分に先送りしたことについて「秘書が無断で行うはずがない」と述べ、「報告・了承」があったと認めた。

 問題は、元秘書が小沢氏にどこまで具体的に説明していたかだった。石川議員は当初、土地の売買自体を2005年に先送りするつもりだったが、実際は登記を遅らせただけで、代金は2004年に支払っていた。判決は、具体的な手続きは「秘書の裁量の範囲内」と考えた石川議員が、小沢氏に説明していなかった可能性を指摘した。

 このため、代金支出の先送りや小沢氏が提供した4億円の不記載について、小沢氏が「適法に実現される前提で了承していた」などと考える余地が残った。元秘書らの行為が犯罪にあ

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