2012年04月30日
▽この記事は2012年4月27日の朝日新聞朝刊に掲載された原稿を再構成したものです。
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■ぎりぎり無罪の理由は?
判決は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、元事務担当秘書の石川知裕衆院議員(38)と後任の池田光智元秘書(34)が、2004年分の政治資金収支報告書に小沢氏の4億円を記載せず、土地代金の支出の計上も05年分に先送りする虚偽の記載をした――と明確に認めた。
仮に小沢氏と元秘書らの間に共謀が認められていれば、「共謀共同正犯」として小沢氏は有罪となった。
判決はまず、小沢氏が提供した4億円を2004年分に記載せず、代金支出を05年分に先送りしたことについて「秘書が無断で行うはずがない」と述べ、「報告・了承」があったと認めた。
問題は、元秘書が小沢氏にどこまで具体的に説明していたかだった。石川議員は当初、土地の売買自体を2005年に先送りするつもりだったが、実際は登記を遅らせただけで、代金は2004年に支払っていた。判決は、具体的な手続きは「秘書の裁量の範囲内」と考えた石川議員が、小沢氏に説明していなかった可能性を指摘した。
このため、代金支出の先送りや小沢氏が提供した4億円の不記載について、小沢氏が「適法に実現される前提で了承していた」などと考える余地が残った。元秘書らの行為が犯罪にあ
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