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小沢氏無罪に控訴 指定弁護士「見過ごせない事実誤認」

 政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された民主党元代表の小沢一郎被告(69)を無罪とした東京地裁判決に対し、検察官役の指定弁護士は9日午後、控訴した。「一審判決には見過ごせない事実誤認があり、控訴審で十分修正が可能だと判断した」と控訴に踏み切った理由を説明した。小沢氏の無罪は確定せず、今後も刑事被告人の立場が続くことになる。東京高裁で控訴審が始まるのは、早くても数カ月後になるとみられる。

  ▽この記事は2012年5月10日の朝日新聞に掲載されたものです。

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  ▽関連資料:小沢一郎議員に無罪を言い渡した東京地裁判決の要旨

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 先月26日の地裁判決は、資金管理団体「陸山会」が2004年10月に購入した東京都内の土地をめぐり、石川知裕衆院議員(38)ら元秘書が政治資金収支報告書にうその記載をしたと認定。小沢氏は自ら提供した4億円を簿外処理し、代金支出の記載を04年から05年に先送りする方針を石川議員から報告され、了承していたと判断した。

 そのうえで判決は「4億円の収入と代金支出を04年分に計上すべきだと認識していなかった可能性がある」と指摘。小沢氏の故意の立証が不十分だとして、無罪を言い渡していた。

 指定弁護士3人は9日、約2時間にわたって控訴するかどうかの協議を行い、判決が認定した事実に誤りがあると最終的に判断した。

 その後、東京都内で記者会見した大室俊三・指定弁護士は「共謀が認められないのはおかしい。既存の証拠でも判決の誤りは十分指摘できる」と話した。強制起訴を決めた検察審査会が議決で指摘した内容に照らしても、「判決は十分に答えたことにならない」と語った。

 村本道夫・指定弁護士も「裁判官を説得できる相当の自信がある。5割を超える程度の高度な見通しがなければ、控訴には踏み切れなかった」と述べた。

 控訴審に向けた具体的な立証の方法は明言しなかったが、小沢氏や石川議員の認識を確認するため、再度の被告人質問や証人尋問を請求することが予想される。判決の認定を覆す材料を集めるための補充捜査に取り組む可能性もある。(其山史晃、小松隆次郎)

 ■小沢氏コメント発表「理解に苦しむ」

 民主党の小沢一郎元代表は9日、指定弁護士による控訴について「先日の無罪判決の内容を見る限り、控訴審でこれが覆ることは想定しにくく、指定弁護士が控訴したことは理解に苦しむ。いずれにしても、弁護団と協議した上、早期に公訴棄却もしくは無罪という結論が得られるよう、万全の対応を取りたい」とのコメントを発表した。

 ■指定弁護士が会見「5割以上の確度で修正」「今朝までずっと悩んだ」挙手で意見一致

 「一審判決には、見過ごせない事実誤認があり、十分修正は可能と判断し、控訴することにしました」

 9日午後2時から記者会見に臨んだ3人の指定弁護士。冒頭で大室俊三・指定弁護士は、全員一致で決めたことを強調した。

 この3時間ほど前から、東京・霞が関の法務・検察合同庁舎14階の一室で、3人は控訴するかを決める最後の協議に入った。「一審判決が論理的にも証拠に照らしてもおかしな点が多いということは、共通していた」。協議の焦点は、一審判決を覆せる可能性がどの程度あるかだった。

 「5割を超え

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