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鉛カバー「被曝隠し」労働者の違法派遣で東電「事実確認できれば適切な処置をとりたい」

7月26日、東電本店記者会見詳録

 鉛カバーによる「被曝隠し」が行われた福島第一原発の工事で作業員8人が「違法派遣」の状態で働かされた問題で、東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は7月26日の記者会見で「事実関係を確認できれば、元請け企業を通じ適切な処置をとりたい」と答えた。「請負関係に関しても関係法令の順守を契約などの中で(関係企業に)お願いしている」とも述べた。

 

 この件に関する26日の記者会見でのやりとりの全文は以下の通り。

 男性記者:朝日新聞の奥山と申します。鉛カバーの問題で、現場で働いていた労働者たちの雇用のことについて伺いたいんですが、他の会社から違法に派遣された状態で働かされていた、職業安定法あるいは労働者派遣法に違反する「偽装請負」の状態で働かされていた、と報じられているんですが、これについて東京電力として何らかのコメントはありますでしょうか。

 松本本部長代理:私どもとしては各企業さんと直接の契約関係にはないが、そういった法令上、遵守した上できちんと契約それから手続き等は進めていただきたいということで、元請企業さんを通じてお願いしているところです。

 男性記者:今回、個別の企業名も出た上で具体的なこの人という形で、特定できる形で違法派遣だったということが指摘されているわけですけれども、それについて東京電力として把握しようとか調べてみようとかそういうことにはならないのでしょうか。

 松本本部長代理:今のところはまずは現在、今回問題となっているビルドアップ社さんに関しましては東京エネシスさんを通じて調査をお願いしているところです。そこから事実関係をきちんとお聞きしたうえで対応は考えたいと思っています。

 男性記者:鉛カバーの問題について東京エネシスを通じて調査を依頼しているということは以前伺っているんですけれども、この違法派遣のことついても調査の内容には含まれるという理解でいいんでしょうか。

 松本本部長代理:今のところは鉛カバーを取り付けたものに関しましてまず報告を求めているところです。なお先ほどご質問にありました請負関係に関しましてもこれまで関係法令の遵守ですとかに関しましては、わたくしどもと相手先の企業さんとのあいだの契約書の中に遵守事項をきちんと守るということに関しまして明記してありまして、適宜、その後、機会を通じてそういったこともお願いはさせていただいてございます。

 男性記者:そのお話ですと、違法派遣があったということになりますと、東京電力とエネシス、あるいはエネシスとビルドアップとの契約に違反するということになるんだろうと思うんですけれども、それは把握したうえで契約の違反ということで何らかの措置をとるとか、そういうことになるのでしょうか。もしそういうことが確認できた場合は。

 松本本部長代理:はい。事実関係としてきちんと確認ができれば、わたくしどもとしては元請企業さんを通じて適切な処置をとりたいというふうに思っています。

 男性記者:はい、ありがとうございました。