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インドネシアの贈収賄:日本企業の摘発「リスク」高まる

吉本 祐介

 インドネシアでは公務員や議員による贈収賄事件が日常茶飯事といわれ、「必要悪」とも一部でとらえられる実情があった。そんな中にあっても、最近、住友商事など日本企業の関係者が贈賄側として摘発される事例が相次いでいる。日本企業側から見た「リスク」は今後も高まりそうだという。ジャカルタの法律事務所に出向・勤務している吉本祐介弁護士がその実情を解説する。(ここまでの文責はAJ編集部)

 

インドネシアの贈収賄問題

 

 

西村あさひ法律事務所
弁護士・NY州弁護士
吉本祐介

 ■ はじめに

吉本 祐介(よしもと・ゆうすけ)
 2002年、弁護士登録。2001年東京大学法学部第一類卒業。2010年、コロンビア大学ロースクール(LL.M.)修了。2011年、ニューヨーク州弁護士登録。三井物産株式会社及び米国三井物産株式会社に出向。現在インドネシアの法律事務所に出向中。
 インドネシアを中心としたアジア進出案件などを主に取り扱う。

 近時、インドネシアの豊富で良質な労働力や成長が見込まれるインドネシア国内市場を目指して、日本企業が新たにインドネシアに多数進出してきているが、司法や法律面では未だ問題が多く、特に贈収賄に関しては、昔から問題が指摘されてきたところである。ユドヨノ大統領は、汚職撲滅を大統領選挙における公約として掲げ、実際に政治家や裁判官などを逮捕してきているが、汚職を巡る状況が大きく改善したとは言い難い。このような中

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