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東電を免責しなかった国の判断「違法でない」東京地裁《判決全文》

 東日本大震災は異常な天災とはいえず、原発事故を起こした東京電力は事故による被害の賠償責任を免れない――。こうした政府の見解の是非が争われた損害賠償請求訴訟の判決で、東京地裁(村上正敏裁判長)は7月19日、見解は「適法」とする判断を示した。今回の原発事故での免責をめぐる司法判断は初めて。

  ▽筆者:高野遼

  ▽この記事は2012年7月20日の朝日新聞に掲載されたものです。

  ▽関連資料:2012年7月19日の東京地裁判決の全文(AJ購読者限定)


 原子力損害賠償法には「異常に巨大な天災地変」で損害が生じた場合、原発事業者は免責されるとの規定がある。原告は東電の株主である東京都内の弁護士で、東電に責任があるという前提で被災者への賠償などを進める政府に対し、「今回は免責される場合にあたる」と主張。東電内部や経済界にも同様の見方があり、司法判断が注目されていた。

 判決はまず「免責が軽々と認められるようでは、被害者の保護が図れない」と基本的な考え方を示した。

 続けて、今回の東日本大震災では免責されないとした政府の見解が違法かどうかを検討。地震の規模(マグニチュード9・0)や津波被害を原賠法施行後に起きた過去の大地震と比較し、規模や津波の高

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