(9) 特捜部内には慎重論もあった金丸脱税捜査
2013年02月03日
▽筆者:村山治
▽この記事は2012年9月に出版された単行本「小沢一郎vs.特捜検察20年戦争」(村山治著、朝日新聞出版)に収載された原稿の一部を取り出し、それに加筆したものです。
▽注:本文中の敬称は原則、略しています。
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■特捜部長自ら極秘の内偵捜査
国税当局から金丸信の蓄財情報を得た東京地検特捜部長の五十嵐紀男は、92年1月下旬、特捜部財政経済班の検事を使い、日本債券信用銀行から金丸の割引金融債取引についての基本的な資料を押収した。本来なら、特捜部で脱税摘発を専門とする財政経済班が捜査を主導し、資料の分析や法律的な問題点を整理して強制捜査の準備をするところだ。
しかし、そうはならなかった。特捜部長の五十嵐は1カ月弱、たった一人で内偵
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