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追い出し部屋は「違法」《東京地裁立川支部判決ほぼ全文》

 「我慢できず自ら辞めるようにしむける。こんなやり方が許されるのか」。大手企業で「追い出し部屋」などと呼ばれている社内失業者を集めた部署について、働き手の怒りや不安が広がっている。今回、その部署を「違法」と断じた判決があることが新たにわかった。パナソニックグループなどこれまで明らかになった企業の事例との類似点も多い。

  ▽筆者:千葉卓朗、内藤尚志

  ▽この記事は2013年2月25日の朝日新聞経済面「限界にっぽん」に掲載されたものです。

  ▽関連資料:「人財部付は実質的な退職勧奨の場となっていた疑いが強く、違法な制度であった」と指摘した2012年8月29日の東京地裁立川支部判決

 

 ■追い出し部屋は「実質的な退職勧奨の場」

 「違法な制度であったと言わざるをえない」

 「追い出し部屋」を違法と判断したのは、昨年8月、東京地裁立川支部の判決(中山典子裁判官)だ。通信教育大手のベネッセコーポレーション(本社・岡山市)がつくった「人財部付」という部署の女性社員が訴えていた。

 判決による「人財部付」の実態は――。

 2009年春、人事を担当する人財部のなかに新設された。

 「あなたたちには問題があります。受け入れ先を獲得する活動をしなさい」

 女性は配属になった初日、上司からこう告

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