2013年04月29日
▽筆者:奥山俊宏
▽関連資料: オリンパス弁護人の弁論の要旨
▽関連資料: 検察官の論告の要旨
▽関連資料: 検察官の冒頭陳述の要旨
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▽関連資料: 2007年3月16日のライフドア事件一審判決要旨
▽関連資料: 2008年7月25日のライブドア事件控訴審判決要旨
この日の公判ではまず、会社の弁護人から、前日4月22日のオリンパス株価に関する資料が証拠として提出された。終値は2458円で、マイケル・ウッドフォード元社長が解任されるより前の2011年10月の水準に戻っている。
山田元副社長の弁護人からは、山一証券、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、カネボウの元役員が損失隠しで証券取引法違反の罪に問われた事件の裁判例の資料が証拠として提出された。オリンパスと同程度、または、上回る金額の粉飾決算事件だったが、いずれの有罪判決も執行猶予つきだった(長銀と日債銀の元役員については最終的には無罪判決が確定)。
これに対して、検察官は、山一証券、長銀、日債銀、カネボウの事件について、「いずれも平成18年に証券取引法が改正されるより前の裁判例。18年に法定刑が引き上げられて、罰則が強化されており、それを前提に求刑をした」と反論した。検察官は前回3月26日の公判で、会社に罰金10億円、菊川元社長に懲役5年、山田元副社長に懲役4年6月、森元副社長に懲役4年を求刑している。
会社の弁護人は弁論の中で、「かつてのカネボウ事件のように債務超過を資産超過と表示したり、また、ライブドア事件のように赤字を黒字と表示したりすることは、質的に重要な虚偽記載であり、投資者の投資判断に与える影響も重大である」と指摘。一方、オリンパスでは、カネボウやライブドアとは異なり、「虚偽記載は被告会社の事業部門とは無関係に行われた」「投資者が重視する被告会社の事業自体の経営成績を偽ったものではなかった」として、寛大な判決を求めた。
ライブドア事件では、2007年3月16日の一審判決が「本件犯行は、損失額を隠ぺいするような過去の粉飾決算事例とは異なり、投資者に対し、飛躍的に収益を増大させている成長性の高い企業の姿を示し、その投資判断を大きく誤らせ、 多くの市井の投資者に資金を拠出させたというものであって、粉飾額自体は過去の事例に比べて必ずしも高額ではないにしても、その犯行の結果は、大きいものがあるとみることができる」と述べて、堀江貴文・元ライブドア社長に懲役2年6月の実刑を言い渡し、控訴審判
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