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「2号機も一定のデータの推移があるので給水量の見直しを」

3月17日午前8時45分から午前8時53分まで

 福島第一原子力発電所(1F)が2011年3月11日に地震と津波に襲われたときから、東京電力は東京の本店と福島第一原発の緊急時対策室を専用回線で結んで、テレビ会議を開いてきている。その録音・録画の一部が東電本店で記者に限定公開されている。そのうち、3月17日午前8時45分から午前8時53分までの場面をここに紹介する。

  ▽まとめ:奥山俊宏

  ▽注:一部の音声が東電において「ピー」音で聴取不能とされており、また、「ピー音」がなくてもよく聞き取れない言葉があり、それらについては適宜「●●」や「○○」「peee」「piiii」などの表現で示しました。

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 3号機使用済み燃料プールに自衛隊ヘリコプターから「散水」するための打ち合わせがしばらく続いた後、武黒フェローが「それではいったんブレイクします」と言い、3秒ほど会話が途切れる。そこに割って入るようにして、17日午前8時45分(注1)、原子炉への注水を減らそうという話が始まる。「ハンチング」というのは値が揺れ動いている状況を指す。


本店●●:あの、ブレイクしたところで先ほどの続きをさせて頂きます。あの、今朝ほど●●さんのほうから3号機のサプレッションチャンバの圧力がハンチング始めたという報告がありました。で、あの、これは一つの兆候を示しておるものでありますし、まあ、かねて2号機についても一定のデータの推移がありますので、そろそろ給水量の見直しが必要かなというタイミングですので、これについて安全グループのほうから報告をしてもらいます。

本店原子炉安全技術グループ●●:あの、給水量についてはですね。あの、かなり初期の段階から崩壊熱相当を入れれば、必要容量としては十分であるということで、かなりやってきてますけども。それに対して余裕を持ってですねたくさん注水してきたと。で、現在は1F3号機、他の号機に比べてだいぶ注水が多くなっていてドライウェルまで水位が形成されているという状況になっております。このままですね、継続して上昇させていくと、気相部の体積が減ってしまうことによって、圧力をまた上げる格好になりますので、これはなるべく避けたい。一方で、燃料、タフですね、までは水位をあげたいということですが、そのバランスの中で現在はちょっと多めに入っているので、これを絞っ

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