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顧客情報の開示を求められたとき、企業はどう対応すべきか

 企業の顧客情報管理には企業の信用がかかっている。流出や紛失はあってはならないものだ。一方、逆に、企業が顧客情報の開示を求められる場合がある。民事紛争にからむ弁護士会からの照会などがそれだ。そうした時、企業は、顧客情報の開示・利用の可否をどう判断したらいいのか、井浪敏史弁護士が詳細に解説する。

顧客情報の第三者への開示・利用が認められる場面とは?


西村あさひ法律事務所
弁護士 井浪敏史

井浪 敏史弁護士井浪 敏史(いなみ・さとし)
 2004年、東京大学法学部卒業。2006年、東京大学法科大学院修了。2007年、弁護士登録(司法修習新60期)。
 ■ はじめに

 企業が事業活動を行うに当たり、取得・保有することになる顧客情報につき、企業は、個人情報保護法上の義務や顧客に対する守秘義務を負っており、適切な管理が求められる(なお、本稿では、企業が顧客に対して一般的に負う守秘義務を念頭に置いて論じているが、顧客との間に、守秘義務に関する別途の合意がある場合には、その守秘義務契約違反に当たらないか否かも別途問題となり得る。)。昨今も、企業による顧客情報の流出・紛失事案についての報道を目にする機会は多く

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