2013年07月03日
▽筆者:奥山俊宏
▽関連資料:オリンパスや菊川剛元社長らを有罪とした東京地裁判決の要旨
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▽関連資料:オリンパス弁護人の弁論の要旨
▽関連資料:検察官の論告の要旨
▽関連資料:検察官の冒頭陳述の要旨
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傍聴席は、抽選で傍聴券を引き当てた人たちや報道記者たちで満席となっている。最前列の右端にはオリンパスの小暮俊雄コーポレートサービス本部長。3列目の中央付近には、疑惑を告発したマイケル・ウッドフォード元オリンパス社長の補佐役を務めた和空ミラー氏がいる。弁護人の席には13人。検察官の席には3人。午後1時26分、齊藤裁判長ら裁判官3人が入ってくると、全員、起立して礼をする。テレビカメラによる廷内の撮影がしばしある。
午後1時29分、法廷の右脇のドアから、オリンパスの現社長である笹宏行氏がスタスタと入ってくる。それに続いて、元社長の菊川剛被告。元副社長の山田秀雄被告と森久志被告(56)はそれぞれ法廷に入ったところで立ち止まり、一礼した上で弁護人席の前にある被告人席に向かう。
被告人席の前には長テーブルがある。テーブルと椅子の間に身体を押し入れるようにして、菊川被告が席につく。その左隣に笹社長。山田被告には座布団が用意されている。その右隣に森被告。被告人たちが席に座り終えると、齊藤裁判長は「時間になりましたので、開廷することにします」と言う。そして、「それではきょうは判決の宣告ということになります」と言う。そこで一瞬、裁判長は考え込むようなそぶりを見せ、その後、被告人席の4人に「ちょっと狭いので、そのまま聞いててください」と言う。
ふつうならば、被告人全員を裁判官の正面に横一列に並んで立たせた上で、判決主文を読み上げる。ところが、裁判官から見れ
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