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元検事総長の捜査資料をもとに元総長に代わって本を執筆

(7)灰色高官、乱打と誤報、三木内閣、コーチャンインタビュー

村山 治

 ロッキード事件、リクルート事件など戦後日本を画する大事件を摘発し、「特捜検察のエース」と呼ばれた吉永祐介元検事総長が亡くなって1年が経った。それを機に、吉永さんを長く取材してきた元NHK記者の小俣一平さん(62)と元朝日新聞記者の松本正さん(68)に、吉永さんと特捜検察、さらに検察報道の今と昔、それらの裏の裏を語ってもらった。第7回の本稿では、心血を注いだロッキード事件の捜査体験を国民に知ってほしかった吉永さんの思いや、朝日新聞の歴史的な特ダネとなった「コーチャンインタビュー」について論じる。

●吉永さんに代わって書いた本

小俣氏が「坂上遼」の筆名で著した『ロッキード秘録』
 村山:話は変わりますが、小俣さんが2007年8月に上梓した「ロッキード秘録」は、吉永さんが作成した詳細な捜査資料をもとに書かれたのですね。

 小俣:そうです。吉永さんから、段ボール数箱分の資料をもらいました。それを読み込んだうえで、吉永さんから、説明を聞きました。だから、捜査当時の様子が手に取るようにわかった。

 村山:吉永さんの資料を、小俣さんが、わかりやすく読み解いた訳ですね。私も、その資料を小俣さんから見せていただきましたが、資料をそのまま本にする手もありますね。あの資料には、それだけの価値があると思います。
 ただ、

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