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臓器移植の「ほかの問題」とは? 岩波新書『移植医療』

『移植医療』
 2014年6月20日発行
 著者:橳島次郎 出河雅彦
 岩波書店

岩波新書「移植医療」
 「臓器移植というと脳死は人の死か否かばかりが議論され、ほかの問題に目が向かなくなる弊害があることも否めない」

 6月20日に岩波書店より上梓された本書「移植医療」はこうした問題意識のもと、日本の移植医療論争においてこれまで語られることのなかった「ほかの問題」の存在を指摘する。

 「ほかの問題」とは何か? 本書はそれを、以下に掲げる4つとしている。

  1.  脳死判定への疑念が集中する中で、そもそも臓器提供者がなぜ脳死に至ったのかに関する原因究明への関心が欠如していること。
  2.  脳死への議論偏重の中で、心停止後の臓器提供に関しては、その実態に極めて無関心であること。
  3.  生きている人(以下、生体)からの臓器提供についての法的根拠が欠如していること。
  4.  皮膚や靱帯といった様々な人体組織が提供されうるにもかかわらず、我が国の臓器移植法では、その対象を臓器および角膜に限定していること。

 こうした臓器移植における「ほかの問題」が

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